離島医療の現状

鹿児島の看護師求人ガイド~離島医療の現状~

看護師求人から離島医療の解説まで~鹿児島のすべてがここにある!

なかなか十分な整備の整わない鹿児島の離島医療の現状についてご紹介します。

離島面積全国1位の鹿児島県では離島医療が重要!

鹿児島県の離島医療鹿児島の離島医療は今どのような状況にあるのでしょうか?

鹿児島県には全部で27の有人離島があります。無人島でない以上、そこで暮らす人々の健康維持を支える医療機関が重要。鹿児島県の離島面積は2,489平方キロメートルで47都道府県中1位、さらに離島に住む人口も191,000人と同じく全国1位です。そう、鹿児島県は全国でもっとも離島医療に力を入れなければならない都道府県なのです。

ちなみに鹿児島県の有人離島は27にのぼり、それを管理している自治体は25市町村。これらすべてに充分な医療を提供するのは並大抵のことではありません。

もちろん鹿児島県としても、各島のへき地診療所に充分な医療を提供できるだけの設備を整えようと努力は続けています。2010年には、甑島にある下甑島診療所に遠隔独英診断システムが導入されるなど、徐々に設備は整ってきているのです。これにより鹿児島市内の医師と協力の上、診断に迷いが生じる脳疾患や胸部疾患などについて専門医の指導を受けながらX線読影を行えるようになりました。

しかし、まだまだ離島医療問題が解決したとはいえない状況なのです。

鹿児島県の離島医療が苦戦する理由

鹿児島県の離島医療問題がなかなか解決を見ないのは、やはり離島が多すぎるせいでしょう。27もある離島に医師を配置するには、とても自治医科大生だけではまかないきれません。さらに陸続きのへき地と違い、車を飛ばせば他地域の医療機関に行けるというものでもないのです。自力で医療機関を受診する方法に乏しく、全島民が受診困難者です。

離島医療の機材設備問題は医師確保だけではありません。器材についても同様です。

27箇所の離島すべてに充分な医療を提供するための設備を整えるには莫大な予算が必要になります。

しかしながら、各医療機関を受診するであろう島民の人口は1島あたり換算では大した人数にならず、とても設備を維持するだけの利益が得られる見込みはありません。

一般論では「そういう時のために市や県が公立医療機関を運営するための予算を計上しているんじゃない?」となりますが、市や県だって財政的にそこまで余裕があるわけではないでしょう。莫大な赤字がかさむと分かっている施設を作ることは難しいはずです。

現実的に100%の解決はできないまでも、今より進んだ状態に持っていく方策が求められているわけです。

離島医療~徐々に改善してきてはいるけれど…

とはいえ、まったく改善が見られないまま時間だけが進んでいるわけではありません。かつては鹿児島県内の三島村、十島村など一部の自治体は完全な無医村でした。しかし鹿児島赤十字病院が鹿児島県域へき地中核病院に指定されると、日赤は島嶼部の巡回診療を開始。

これによって、三島村の硫黄島、竹島、黒島、そして十島村の諏訪瀬島、口之島、宝島など7島に医師を派遣。さらに、2000年には三島村、2002年に十島村に常駐医師を配置し、鹿児島県には無医村がなくなったのです。

ただ、自治体単位で無医村がなくなってといえば聞こえは良いですが、島単位で見ると無医島は残っています。今後、さらなる改善が求められるところですね。